件名:◆節税対策メルマガVol.68◆賞味期限間近の相続対策とは？
日付:2015/09/28
差出人:石井税理士事務所
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『「あらゆる節税対策を紹介する」メルマガ』Vol.68
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私は仕事柄「相続」の仕事に多く携わっておりますので、
「死」「病」「健康」といったことを時々考えることがあります。
一方で、自分の健康については、かなり無頓着であることに気づき、
先日3年ぶりに人間ドックを受診しました。
結果は・・・・ちょっとメタボ気味とのこと（笑）
あと、眼を酷使しているせいでしょうか、
視力がかなり落ちていることもあり、
眼科で再検査したほうが良いとの診断でした。
とりあえず、それ以外は何もなかったのでちょっと安心しています。
皆さんも健康診断は定期的に受診しましょうね。
さて、今回は相続対策として有効だった「タワーマンション節税」
にそろそろ税務当局の規制がはいりそうだ、という話題です。
タワーマンション節税とは、時価（売買価格）と、
相続税評価との間で生じる価格差を生かした節税対策です。
タワーマンションの高層階では、例えば１億円の購入価格に対して、
物件によっては相続税評価が2000万円〜3000万円程度になることがあります。
タワーマンションの面積あたりの土地の評価は
各階層において変わりませんが、タワーマンションの売買価格は、
低層階よりも高層階の方が、眺望が良くなる等のプレミアムで
価格が高くなります。
一方で、相続税評価の基礎となる固定資産税評価額は
低層階も高層階も全く同じ価格です。
例えば、ブリリアタワーズ目黒のサウスレジデンス（地上38階建て）
で見てみると、75.55平方メートル（3ＬＤＫ）タイプで、
3階の販売価格→1億3800万円
31階の販売価格→1億7600万円
この場合の低層階と高層階とでは、30％以上もの価格差が生じています。
一方、建物の評価額は固定資産評価額と同じになり、
土地は敷地全体の面積を専有部分の面積で案分して
各戸の持ち分が決まります。
したがって、高層階ほど建物価格の時価は高額となりますが、
相続評価額は低層階と変わらず、相続税評価額との差額は大きく
（＝節税額は大きく）なるというわけです。
一般的には、資産2、3億円から10億円程度の富裕層に向いている
節税スキームだと認識されています。
ところが、このタワーマンション節税に関して、
国税庁がパブリックコメントの募集を検討しているとの情報が流れ、
一部の税理士の間で話題となっています。
税理士業界の専門誌「旬刊速報税理」（7月11日号）で、
高層マンションの課税評価額の評価方法について、
パブリックコメント（意見公募手続）にかけられるという記事が
掲載されたのです。
パブリックコメントとは、行政が政策変更や規制を行う際に、
その影響が及ぶ可能性のある一般の方に意見や情報を求める手続のことです。
つまり、何らかの規制等が入る前に行われる手続きであり、
タワーマンション節税に規制が入るという意味になります。
では、具体的にどのように規制が入るかですが、
「相続税評価額を取得時から3年間は時価（通常売買価格）で評価する」
といった案が浮上しているようです。
ところで、タワーマンション節税の税務否認例では、
平成23年7月1日の国税不服審判所の裁決がありますので、
ちょっとご紹介します。内容は以下のとおりです。
平成19年7月 父入院
平成19年8月 六本木ヒルズレジデンス30階を2億9,300万円で購入
平成19年9月 父死亡
平成20年2月 売却を業者に依頼
平成20年7月 相続税評価額5,820万円で申告
平成20年7月 2億8,500万円で売却
（税務調査）
平成22年4月 異議申立、棄却
平成22年7月 審査請求
平成23年7月 評価額を取得時の2億9,300万円とする裁決確定
購入の翌日には不動産会社と転売のための媒介契約を締結しており、
相続税評価を下げるためだけの目的で行った、租税回避行為だった
ことが明白で、完全否認されたようです。
実際のところ、この裁決を知った時には「それ、やりすぎだろう」
と思いましたが、こういった税務否認例が目立つようになったのも、
今回のパブコメ募集のきっかけと思っています。
いかがでしょうか？
まだ、実際にパブコメ募集の発表があったわけではありませんが、
タワーマンション節税の賞味期限もそろそろ終わりになるかもしれません。
タワーマンション節税は札税効果の高い相続対策として、
私も資産家の方を中心に勧めていましたが、今後の動向に注視しながら
検討していきたいと思っています。
タワーマンション節税をご検討の方はご注意くださいね。
なお、タワーマンションの節税効果については
過去のメルマガでも詳しくご紹介しておりますのでご参考ください。
2014/04/21配信「タワーマンションによる相続対策とは？」
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